東京都帰宅困難者対策条例が事業者に求めているのは、備蓄だけではありません。従業者を一斉に帰宅させないこと(第7条第1項)、そのための3日分の備蓄(第7条第2項)、施設利用者の保護(第8条)、従業者と利用者への情報提供(第11条第2項)、待機と帰宅の方針を事業所防災計画に書いて周知し、定期的に確認・改善すること(第4条第4項)の5つです。備蓄は5つのうちの1つで、しかも単独では求められていません。

BCP対策の打ち合わせでこの条例が出てくるとき、話題はほぼ「水9リットル・主食9食」に集中します。ところが条例の本文14条を上から読むと、事業者を主語にした条文は第7条だけではありません。この記事では、条文ごとに「誰が」「何を」求められているかを分解し、自社がどこまで説明できる状態にあるかを確かめられるようにします。

根拠の数字|条文ごとに、主語と求められていることを分解する

条例は全6章14条です。主語が「知事」の条文と「事業者」の条文が混在しているので、まず分けます。

条文 主語 求められていること 語尾
第4条第1項事業者従業者の安全と、管理する施設・設備の安全性の確保努めなければならない
第4条第2項事業者従業者との連絡手段の確保。家族との連絡手段・待機場所・徒歩帰宅経路の確認を従業者へ周知努めなければならない
第4条第3項事業者施設の周辺の混乱防止のため、行政・他の事業者・周辺住民と連携努めなければならない
第4条第4項事業者待機の方針・安全に帰宅させる方針を事業所防災計画等に明らかにし、従業者へ周知し、定期的に確認・改善努めなければならない
第5条知事事業者等に実施状況の報告を求めることができる(権限)
第6条知事必要があると認めるときは、事業者等に支援を行う行うものとする
第7条第1項事業者安全性と周辺状況を確認のうえ、施設内での待機を指示し、一斉帰宅を抑制努めなければならない
第7条第2項事業者前項の待機を維持するために、従業者の3日分の飲料水・食糧その他必要な物資を備蓄努めなければならない
第8条第1項鉄道事業者その他公共交通事業者待機の案内・安全な場所への誘導その他、利用者の保護努めなければならない
第8条第2項百貨店・展示場・遊技場等の集客施設の設置者・管理者同上(施設利用者の保護)努めなければならない
第8条第3項前二項に規定する施設以外の施設の設置者・管理者前二項の規定に準じて、施設利用者の保護のために必要な措置努めなければならない
第9条学校・専修学校・各種学校・保育所その他の子育て支援を行うことを目的とする施設の設置者・管理者幼児・児童・生徒等への待機の指示その他の安全確保努めなければならない
第11条第2項事業者等従業者・利用者等への安否確認手段の周知と災害関連情報等の提供努める
第12条知事一時滞在施設の指定・周知。民間施設に協力を求め、受入体制を整備しなければならない
第13条知事代替交通・輸送手段と災害時帰宅支援ステーションの確保しなければならない

出典:東京都帰宅困難者対策条例(平成24年3月30日 東京都条例第17号/平成25年4月1日施行)本文(2026年9月21日確認)。網掛けは、備蓄の担当者が見落としやすい3条文。

この表から読み取れることは2つです。

  • 条例に罰則の章はありません。全14条のうち、事業者を主語にした条文はすべて「努めなければならない」で終わります。ただし第5条で、知事は実施状況の報告を求めることができます。
  • 第7条第2項の備蓄は、第1項の待機とセットで書かれています。条文の目的語は「前項に規定する従業者の施設内での待機を維持するために」です。備蓄は独立した努力義務ではなく、従業員を帰さないという判断を成立させるための手段として置かれています。

3日分は最低ラインで、到達点ではありません

条例が示す「3日分」は、東京都自身が根拠を説明しています。条例Q&Aは「大災害発生時、人命救助のリミットが72時間(3日)と言われています」「警察・消防・自衛隊の救助・救命活動を妨げないため、また二次災害から身の安全を図るためにも、会社のビル等が安全な場合には最長3日間はそこに留まってほしいという趣旨です」と書いています。つまり3日分は「復旧までの日数」ではなく「救助活動を妨げないために留まる日数」です。

当社では、備蓄日数の到達点を7日分に置いています。3日分は第1段階で、完了地点ではありません。実際には3日分から段階的に導入する企業が多く、これは妥協ではなく現実的な順序です。条例の努力義務を満たすことと、自社の事業継続が持つかどうかは別の問いなので、稟議には「次年度以降に上積みする」の1行を残しておきます。日数の考え方は防災備蓄は何日分そろえればいいですかで詳しく分けています。

この条例は誰向けか。自社にどう読み替えるか

対象の線引きは3つの軸で決まります。

軸 線引き 根拠
場所東京都内の事業所。都外の拠点はこの条例の対象外都の条例のため
規模・業種下限なし。「事業を行う法人その他の団体又は事業を行う場合における個人」第1条の定義/Q&A「従業員数を問わず、あらゆる企業や業界団体等の法人及び、事業を行う場合における個人が含まれます」
災害の種類公共交通機関が運行を停止し、当分の間復旧の見通しがない場合。数時間で運行再開が見込まれる台風などは適用されない第1条/Q&A

複数拠点を持つ会社は、拠点ごとに判定します。本社が都内、工場が県外なら、条例が効くのは本社だけです。あとで出てくる「10%の上乗せ」も同じで、都内の拠点にだけ乗せます。

何を1と数えるのか|「従業者」と「施設利用者」は別の分母

この条例には、数え方の分母が2つあります。混ぜると必要数がずれます。

分母 含まれる人 条文 数量の明文
従業者雇用の形態(正規・非正規)を問わず事業所内で勤務する全従業員。アルバイト・委託業者の職員も含む第7条あり(3日分・水9L・主食9食・毛布1枚)
施設利用者来店・来所した人。条例の「帰宅困難者」の定義に「買物その他の理由により来店し、若しくは来所する者等」が含まれる第8条・第11条第2項なし(鉄道事業者・集客施設以外には明文の規定を置いていない)

出典:東京都帰宅困難者対策条例 第1条・第7条・第8条・第11条/東京都「帰宅困難者対策ハンドブック」令和5年3月 46ページ 条例Q&A/東京都帰宅困難者対策実施計画(同ハンドブック49ページ所収)

従業者の側は、在籍人数ではなく「発災時及びその直後に職場にいるであろう従業者」で数えます。都のQ&Aが明記しています。在籍人数から同時在館の最大人数へ落とす手順は従業員100人の会社は、防災備蓄を何人分そろえればいいですかにまとめてあります。

「10%」を、名前で呼び分ける

備蓄の話で出てくる10%は、向きも根拠も違うものが混ざっています。数字で呼ぶと取り違えるので、名前で呼びます。

呼び名 向き 何の分か 区分
帰宅困難者上乗せ足す外部の帰宅困難者のための共助分。都のハンドブックが「10%程度の量を余分に備蓄」と書いている公表基準
来客分足す平均的な来客数。10%ではなく実数で積む当社の設計
在宅勤務控除引く同時在館の最大人数にかける在宅勤務比率当社の設計

乗せ方には決まりがあります。当社では、率が2つ以上あるときは掛け合わせずに足します。予備率20%と帰宅困難者上乗せ10%なら、1.2×1.1=1.32ではなく 1+0.2+0.1=1.3 です。理由は、根拠の違う余裕分が互いを増幅すると「なぜ1.32なのか」を決裁資料で説明できなくなるからです。乗せる先も人数ではなく数量とし、「算定対象人数 × 使用回数 × 日数 ×(1+予備率20%+東京都10%)」の形で根拠を残します。

なお、来客の多い企業の一部を除き、10%の上乗せを実際に実施している会社はまだ限られます。「多くの企業がやっている」という前提では稟議が通りません。やっていないこと自体は珍しくないので、上乗せを入れる/入れないを意思決定として計画に書き残すほうが説明しやすくなります。

計算例|従業員100人と300人

都内の拠点で、算定対象人数(同時在館の最大人数から在宅勤務を引き、協力会社と来客を足した人数)が100人・300人だった場合です。水・主食・毛布は都の実施計画の目安(1日3L/1日3食/1枚)に帰宅困難者上乗せ10%を乗せています。携帯トイレは当社の置き方で、1日5回・予備率20%・帰宅困難者上乗せ10%の足し算(=1.3)です。

品目 式 100人・3日分 300人・3日分 100人・7日分
水人数 × 3L × 日数 ×(1+0.1)990 L2,970 L2,310 L
主食人数 × 3食 × 日数 ×(1+0.1)990 食2,970 食2,310 食
毛布人数 × 1枚 ×(1+0.1)(日数で増えない)110 枚330 枚110 枚
携帯トイレ人数 × 5回 × 日数 ×(1+0.2+0.1)1,950 枚5,850 枚4,550 枚

水・主食・毛布の1人1日あたりの目安は東京都帰宅困難者対策実施計画(公表基準)。1日5回・予備率20%・分散配置は当社が置いている値で、公表基準ではありません。

表を見て最初に効いてくるのは、日数で増えるものと増えないものが分かれることです。毛布は3日でも7日でも110枚のままで、増えるのは水・主食・携帯トイレだけです。予算を3日分から7日分へ伸ばすときに増えるのは消耗品の側で、置き場所と什器は3日分の時点で決まります。

もうひとつ。この表の数字は、算定対象人数が1人ずれるだけで全品目が動きます。人数を「たぶん100人くらい」で置くと、上の4行すべてが「たぶん」になります。予算が通らない原因は金額の大きさではなく、数の根拠が自社判断に見えることです。フロアごとの在館人数を実測して人数を確定させておくと、稟議の場で「なぜこの数量なのか」に一言で答えられます。

実務でつまずく点

1. 集客施設でなくても、第8条は自社に届いています

第8条は「鉄道事業者」(第1項)と「百貨店、展示場、遊技場等の集客施設」(第2項)の条文だと思われがちで、普通のオフィスは読み飛ばされます。ところが第3項があります。

第八条3 前二項に規定する施設以外の施設に係る設置者又は管理者は、前二項の規定に準じて、施設利用者の保護のために必要な措置を講じるよう努めなければならない。

東京都帰宅困難者対策条例 第8条第3項

「前二項に規定する施設以外の施設」ですから、事務所ビルも工場も店舗も入ります。求められているのは第1項・第2項に準じた措置、つまり施設の安全性と周辺状況を確認したうえで、その場にいる利用者に待機を案内し、安全な場所へ誘導することです。都のハンドブックの事業者向けチェックリストにも「来所者についても、従業員等に準じて、施設内又は他の安全な場所で待機させることになっていますか」という項目が立っています。

ただし数量の明文はここにはありません。都のQ&Aは、鉄道事業者と集客施設以外の事業者について「明文をもって規定はしていませんが、一斉帰宅抑制という条例の趣旨及び第8条の趣旨から、可能な限り備蓄をお願いいたします」としています。つまりやることは求められていて、いくつ用意するかは自社で決めるという構造です。決めた結果を計画に書いておかないと、第5条で報告を求められたときに答えるものがありません。

2. 条例の「帰宅困難者」の定義に、来客が入っています

第1条の定義はこうです。「事業所、学校等に通勤し、通学し、又は買物その他の理由により来店し、若しくは来所する者等で徒歩により容易に帰宅することが困難なもの」。来客は「外部の人」ではなく、条例が最初から数に入れている保護対象です。

ここで、先ほどの2つの分母が効いてきます。帰宅困難者上乗せ10%は「共助の分」であって「来客の分」ではありません。常時来客が多い事業所は、来客数を実数で積んだうえで、その合計に10%を乗せます。10%だけで来客をまかなおうとすると、受付に5人が同時に居る会社と、月に数人しか来ない会社が同じ数になります。

3. 企業内保育所があると、第9条の対象になります

第9条の対象は、学校・専修学校・各種学校に加えて「保育所その他の子育て支援を行うことを目的とする施設」です。学校法人向けの条文だと読まれますが、事業所内保育所を運営している会社はこちらにも入ります。

総務が数えているのは従業員だけなので、園児と保育士の分が備蓄の数に入っていないことがあります。しかも園児は保護者が迎えに来られるまで施設に残るので、滞在時間は従業員より長くなり得ます。乳幼児はアレルギー対応食・ミルク・おむつなど品目自体が違い、大人用の備蓄では代替できません。自社に保育所・託児スペースがあるなら、備蓄の一覧を従業員用と分けて作ります。

4. 安否確認の仕組みの相手に「利用者等」が入っています

第11条第2項は「事業者等は、大規模災害の発生時において従業者、利用者等に対して安否情報の確認手段の周知及び災害関連情報等の提供に努めなければならない」です。安否確認システムは社員名簿に紐づいて作るので、ここで抜けます。

利用者に対して求められているのは安否の収集ではなく、確認手段の周知と情報提供です。個人情報を集めなくても成立します。災害用伝言ダイヤル(171)の使い方、周辺の被害状況、鉄道の運行状況を掲示できるようにしておけば要件は満たせます。停電すると館内放送も社内ディスプレイも止まるので、電源が要らない掲示の手段——ホワイトボードと油性マーカー、乾電池式ラジオ——を備蓄の一覧に入れておきます。

5. 一時滞在施設になると、備蓄の分母が自社の従業員ではなくなります

第12条の主語は知事で、事業者は協力を求められる側です。都は都立施設等を一時滞在施設に指定し、3日分の飲料水や食料、簡易トイレ等を備蓄していますが、想定される帰宅困難者を受け入れるには公助だけでは足りないため、民間事業者にも協力を求めています。

協力する場合に押さえる点は3つです。

  • 窓口は都ではなく区市町村です。都のQ&Aは「区市町村と協定を締結していただく等の方法がありますので、一度、所在する区市町村の防災担当部署にご相談ください」としています。
  • 期間は発災から72時間(最大3日間)程度までです。避難所(発災から2週間程度まで)とは設置時期も目的も違います。3日を過ぎた時点で行き先が自動的に確保されるわけではないので、受け入れた人の次の行き先まで含めて区市町村と話しておきます。
  • 支援制度があります。都は帰宅困難者を受け入れる民間事業者に対し、帰宅困難者用の備蓄品の配備支援や、受入に関わる設備の整備に対する補助等を実施しています(制度の内容は都の該当ページで確認してください)。第6条の「知事は、必要があると認めるときは、事業者等に対して支援を行うものとする」がこの根拠です。

備蓄の側で変わるのは、数量が自社の従業者数から切り離されることです。受入予定人数は協定で決めるので、自社従業員用の3日分とは別枠で持つことになります。ここを「共用でよい」としてしまうと、受け入れた人に配った分だけ従業員の分が減ります。

6. 店舗があると、第13条の帰宅支援ステーションの側に立つことがあります

災害時帰宅支援ステーションは、条例第13条の定義で「徒歩により帰宅する者に飲料水、便所、災害関連情報等の提供等を行う店舗等」です。都は都立学校等を位置づけているほか、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、ファミリーレストラン等があります。

ここで現実的な問題が出ます。提供する3つのうち2つ(水道水とトイレ)は、上水道が止まると出せません。ハンドブックの表現も「可能な範囲で」です。店舗を持つ企業がこの枠組みに入るなら、断水時に何を提供できるかを先に決めておきます。少なくとも、水が出ない状態で便器を使わせない判断と、代わりに置く携帯トイレの数は、平常時に決めておかないと当日は決められません。断水していなくても水を流してはいけない理由は断水していなくても、会社のトイレを流してはいけないのはなぜですかにまとめてあります。

7. 備蓄を買っても、第7条第1項が空いたままのことがあります

第7条第2項の備蓄は、第1項の待機を維持するための手段です。ところが第1項が求めているのは物ではなく判断の手順です。「管理する事業所その他の施設及び設備の安全性並びに周辺の状況を確認の上、従業者に対する当該施設内での待機の指示その他の必要な措置を講じる」——誰が安全を確認し、誰が待機を指示するのかが決まっていなければ、備蓄は倉庫に置かれたままになります。

都は、一斉帰宅抑制の要請を東京都防災ホームページ等で発信すると説明する一方、解除については「都から行う予定はありません」と明記しています。原則、発災から4日目以降に、公共交通機関の復旧状況を踏まえ、周辺の安全確認を行ったうえで順次帰宅を開始することになります。帰し始める判断は自社でします。誰がその判断をするのかを決めていない会社は、備蓄が尽きるまで動けません。

なお、都のQ&Aは「無理やり帰宅を阻止することは適当ではありません」ともしています。第3条第2項の「むやみに移動しない」は都民側の努力義務で、最終的な判断は各個人に委ねられています。会社にできるのは、留まりたくなる状態を用意して協力を求めることまでです。水もトイレもない部屋で3日待てと言っても、人は出ていきます。社内のどこに、どんな条件の場所を用意して待ってもらうかは地震のとき、社員を会社のどの階にとどめるかは、先に決めておくべきですかにまとめました。

社内でどう説明するか

「東京都の条例で努力義務なので」は、稟議では弱い言い方です。努力義務・罰則なしという事実は正しいのですが、そこで止めると「では今年でなくてよい」になります。次の形にすると、金額の話の前に議論が進みます。

条例が求めていること いま説明できるか 説明できる状態とは
待機の指示(第7条第1項)—安全確認と待機指示の担当者名が計画に書いてある
3日分の備蓄(第7条第2項)—算定対象人数と、そこから出した各品目の数量に根拠がある
施設利用者の保護(第8条第3項)—来客の待機・誘導の手順があり、来客分の数量を入れる/入れないを決めてある
情報提供(第11条第2項)—停電下で従業者と来客に情報を出す手段がある
計画への記載と周知・改善(第4条第4項)—事業所防災計画に上の4つが書かれ、見直しの月が決まっている

この表をそのまま稟議の添付にします。「できていない」と書くこと自体が予算を求める根拠になります。

第5条を添えると、話が具体的になります。知事は帰宅困難者対策の実施状況について、事業者等に報告を求めることができます。罰則はありませんが、問われ方が「罰」ではなく「報告」だというだけで、問われること自体はなくなりません。そのとき提出するのは買った物のリストではなく、上の5項目に何と書いてあるかです。

そして第4条第4項は、書いて終わりではなく「定期的に内容の確認及び改善に努め」までを求めています。備蓄は買った瞬間から期限が減り始める資産です。見直しの月を決めていない計画は、この条文の後半が満たされません。

よくある誤解

誤解 実際
利用者の保護は集客施設だけの話第8条第3項が「前二項に規定する施設以外の施設」にも準用を求めている。事務所も入る
3日分そろえれば条例は満たしている第7条第2項は第1項の待機を維持するための手段。待機の指示と安全確認の手順が無ければ第1項が空いたまま
台風で電車が止まったときも条例が適用される適用は「当分の間復旧の見通しがない場合」。数時間で運行再開が見込まれる場合は適用されないと都が明言している
全社の拠点に10%を乗せる帰宅困難者上乗せは東京都の基準。都外の拠点に一律で乗せると過大になる
上乗せは人数に掛ける当社では数量に乗せ、率が複数あるときは掛けずに足す(1+0.2+0.1=1.3)。決裁資料で説明できる形にするため
一時滞在施設に指定されれば行政が物資を持ってくる都立施設等は3日分を自前で備蓄している。民間には支援制度があるが、まず区市町村との協定から
備蓄はビル管理者がまとめて用意するもの条例は事業者の責務として規定しており、原則は事業者単位。各テナントの努力義務(ビル全体での共同備蓄は妨げない)
3日間は必ず留めなければならない道路の安全等が確保され二次災害のおそれがない場合は、3日を待たずに帰宅行動を取ることは可能だと都が明記している

まとめ

  • 条例が事業者に求めているのは5つ。一斉帰宅の抑制(第7条第1項)、3日分の備蓄(第7条第2項)、施設利用者の保護(第8条)、従業者と利用者への情報提供(第11条第2項)、計画への記載と周知・改善(第4条第4項)
  • 第8条第3項が「前二項に規定する施設以外の施設」にも準用を求めている。集客施設でなくても、来客の待機・誘導は求められている
  • 分母は2つある。従業者には数量の明文があり(3日分)、施設利用者には無い。無い側は自社で決めて計画に書く
  • 10%は名前で呼び分ける。帰宅困難者上乗せ(共助分・公表基準)と来客分(実数)は別物で、都内の拠点にだけ乗せる
  • 条例に罰則の章は無いが、第5条で知事は実施状況の報告を求めることができる。提出するのは物のリストではなく計画の中身
  • 3日分は救助活動を妨げないための日数であって、復旧までの日数ではない。当社では7日分を到達点に置き、3日分を第1段階としています

この記事の出典

当社は非常用トイレをはじめとする防災備蓄品を扱っており、算定対象人数の確定から、計画に書く根拠の整理までのご相談も承っています。

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