電気は数日、水道は1か月以上が目安です。阪神・淡路大震災では電気が発災6日後に復旧した一方、水道の全戸通水完了は約3か月後でした。国の最新の想定(都心南部直下地震)でも、断水率は3日後で24%、1週間後で16%、ほぼ解消するのは1か月後とされています。BCP対策の備蓄日数は、電気が戻る日数ではなく、水が戻る日数で決めてください。

この記事では、過去2つの震災で実際に何日かかったかと、国がこれから起きる地震について公表している復旧の見通しを、出典付きで並べます。あわせて「復旧」という言葉が4つの違う状態を指していること、そのうち会社の蛇口から水が出るのがどの段階なのかを整理します。

根拠の数字|実績(過去2震災)と想定(都心南部直下地震)

まず実績です。阪神・淡路大震災のライフライン復旧について、内閣府と兵庫県が同じ出来事を別の形で記録しています。日付は兵庫県の記録、発災からの日数は内閣府資料の記載をそのまま載せます。

ライフライン 被害 復旧日(兵庫県の記録) 発災からの日数(内閣府資料の記載)
電気約260万戸が停電平成7年1月23日 倒壊家屋等を除き復旧完了6日後
水道約127万戸が断水平成7年2月28日 仮復旧完了
平成7年4月17日 全戸通水完了
42日後(仮復旧)
91日後(全戸通水)
都市ガス約84万5千戸が供給停止平成7年4月11日 倒壊家屋等を除き復旧完了85日後
電話交換機系 約28万5千回線・加入者系 約19万3千回線が不通平成7年1月31日 倒壊家屋等を除き復旧―

出典:兵庫県「阪神・淡路大震災の支援・復旧状況」(2026年1月15日更新)/内閣府(防災担当)「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」第1回会合 参考資料2「被害に関するデータ等」5ページ。日数の数え方は資料により1日前後の差があります。

電気が6日、水道が91日。同じ被災地で、同じ日に壊れて、15倍の差がついています。そして水道には「仮復旧」と「全戸通水」という2つのゴールがあり、その間が49日(42日後と91日後の差)あることにも注目してください。この違いはあとで詳しく扱います。

東日本大震災では、規模がさらに大きくなりました。厚生労働省の報告書は次のように書いています。

被災直後の断水戸数は 19 都道県 264 事業者で総断水戸数 256.7 万戸が発生し、全戸通水完了までに約 6 ヶ月を要するなど、これまでの地震による被害とは様相が大きく異なるものでした。

厚生労働省 医薬・生活衛生局 水道課「東日本大震災 水道復興10年報告書」令和4年6月

ただし、この約6か月は最後の1戸までの日数で、東日本大震災では全体の9割が約3週間で戻っています。なぜ阪神・淡路大震災より長くかかったのかは阪神・淡路大震災と東日本大震災で、水道の復旧日数は違いましたかで扱っています。

直近の大規模災害でも同じです。令和6年能登半島地震では、6県38事業者で最大約13.6万戸が断水しました。国土交通省の資料によれば、石川県では輪島市・珠洲市の早期復旧困難地域を除いて5月31日をもって水道本管が復旧済みとされ、その時点でも宅内配管工事の加速化が続いていました。1月1日の発災から、本管の復旧まで5か月です。

これから起きる地震について、国はどう見積もっているか

過去の実績だけでは「昔の話では」と言われます。国が最も新しく公表している想定を見ます。中央防災会議の首都直下地震対策検討ワーキンググループが令和7年12月19日に公表した「都心南部直下地震の被害想定」です。ライフラインごとに、被災直後から1か月後までの推移が数字で並んでいます。

経過 上水道(断水率) 電力(停電率) 固定電話・ネット(不通率) 都市ガス(支障率) 下水道(機能支障率)
被災直後29%52%51%13%5%
1日後27%52%51%12%5%
3日後24%52%51%12%3%
1週間後16%2%2%10%1%
2週間後9%2%2%7%0%
1か月後2%2%2%2%―

出典:中央防災会議 防災対策実行会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ「都心南部直下地震の被害想定【定量的な被害量】」令和7年12月19日 28〜34ページ。上水道・下水道・電力は「停電考慮あり」の値。上水道の給水人口は約4,708万人、電力の電灯軒数は約3,143万軒、都市ガスの対象需要家数は約1,099万戸が母数です。

表の中で、1週間後の行を横に読んでください。電気も電話も2%まで下がっているのに、水道だけが16%で残っています。電気と通信は「1週間後には解消」、水道は「約1か月後には、ほとんどの断水の状況が解消される」と資料本文にも書かれています。同じ資料は、対策の進捗をふまえてもなお「復旧予測日数は、前回想定時と同様に、1か月程度を要する」としています。耐震化が進んでも、水道だけは1か月という見通しが動いていません。

もうひとつ、3日後の行です。断水率24%。国が企業に求めている備蓄は3日分ですが、その3日分を使い切る日に、想定上まだ4人に1人が水を得られていません。これが、3日分を到達点にしてはいけない理由の数字での裏づけです。

この数字は誰向けか。自社にどう読み替えるか

数字を持ち帰る前に、それぞれが何を指しているかを確かめます。3つとも性質が違います。

数字 性質 自社に当てはめるときの注意
阪神・淡路91日/東日本 約6か月実績。起きたことの記録被災地全体で最後の1戸が通水するまでの日数。自社の建物が91日かかるという意味ではない
都心南部直下の断水率想定。マクロの被害量1都3県の給水人口約4,708万人に対する割合。資料自身が「都県別の数値はある程度幅をもって見る必要がある」と断っている
3リットル/20〜30リットル目標。水道事業者が置く応急給水の水準配る側の目標であって、復旧の実績でも約束でもない

3つ目については、会社の防災備蓄で、水は1人1日何リットル必要ですかで扱った国土交通省の応急給水の目標が該当します。そこでは「これは水道事業者が設定する目標の例であり、復旧の実績ではありません」と書きました。この記事の実績と想定が、その目標の反対側にある数字です。

そのうえで、自社に読み替えるときの原則は1つです。断水率は地域の平均であって、自社が何日目に復旧するかを言い当てるものではありません。復旧の順番は、耐震化されている管路かどうか、優先される施設に近いかどうか、地盤がどうかで決まります。平均より早い会社もあれば、遅い会社もあります。備蓄で備えるのは平均ではなく、遅い側に入ったときです。

日数の置き方|7日を目標、3日を必須の第1段階に

公表されている基準は3日分です。内閣府のガイドラインも東京都帰宅困難者対策条例第7条第2項も3日分で、この日数は「発災後72時間は人命救助に重要な期間であり、一斉帰宅が救助・救出活動の妨げとならないよう社内に待機させる」という理由から来ています。救助活動を妨げないための日数であって、ライフラインが戻るまでの日数ではありません。

当社では、これをふまえて7日分を到達点に置き、3日分をそこへ至る第1段階としてご提案しています。これは公的な基準ではなく当社の置き方です。理由は、この記事の数字がそのまま答えになります。水は3日後の想定断水率が24%で、1週間後でも16%。3日で足りるという材料が、実績にも想定にも1つも出てこないからです。なお災害用トイレについては、経済産業省がすでに7日分(35回分)を必要量として示しています。

実際には3日分から段階的に始める会社が多数で、当社もその順序を否定していません。変わるのは位置づけだけです。日数の決め方そのものは防災備蓄は何日分そろえればいいですかで品目ごとに整理しています。

数え方|「復旧」は4つの違う状態を指している

ここが、この記事でいちばん実務に効く部分です。ニュースや行政発表で「復旧」と言うとき、指しているものが4つあります。区別しないまま日数を受け取ると、必ず短く見積もります。

段階 何が起きた状態か 会社の蛇口 誰の仕事か
① 応急給水が始まる給水車・給水拠点で水が配られ始める出ない水道事業者・自治体
② 仮復旧仮設の管や応急工事で、通水できる状態まで戻す地域による水道事業者
③ 水道本管の復旧道路の下の配水管まで水が来ているまだ出ないことがある水道事業者
④ 建物の中に水が届く敷地内の給水管・受水槽・加圧ポンプが無事で、電気も来ているここで初めて出る建物の所有者・管理者=自社側

阪神・淡路大震災の「2月28日 仮復旧完了」と「4月17日 全戸通水完了」の間にある約7週間が、②と④の距離です。能登半島地震で「5月31日をもって水道本管復旧済み」としながら同時に「引き続き、宅内配管工事の加速化を進める」と書かれているのも、③と④が別だからです。

備蓄の日数を決めるときに使うべきなのは、③ではなく④の日数です。そして④は水道事業者の復旧予定に含まれません。自社の建物の中は、自社側の範囲だからです。

計算例|従業員100人と300人で、日数の差がどこに出るか

2つの表で見ます。1つ目は、想定の断水率を自社の人数に読み替えたものです。この読み替えは当社によるもので、公表資料にこの形の数字はありません。断水率は1都3県の給水人口に対する割合なので、1人ずつの被災確率としては使えません。「社内にいる人の何割が、その日にまだ水を得られていない状況か」を、規模感としてつかむための表です。

経過 想定断水率 100人の会社 300人の会社
被災直後29%29人87人
3日後(3日分の備蓄が切れる日)24%24人72人
1週間後(7日分の備蓄が切れる日)16%16人48人
2週間後9%9人27人
1か月後2%2人6人

断水率は都心南部直下地震の被害想定(令和7年12月19日)の値。人数への読み替えは当社によるものです。

読み取りたいのは人数そのものではなく、3日後と1週間後のどちらもゼロではないことです。3日分でも7日分でも、切れる日にまだ断水が残っています。備蓄はこの状況を終わらせる道具ではなく、行政の応急給水や事業者の復旧が届くまでの時間を買う道具だという位置づけになります。

2つ目は、日数を3日から7日に延ばすと、備える量がどう変わるかです。算定対象人数を100人・300人として計算します。

品目 計算式 100人・3日分 100人・7日分 300人・3日分 300人・7日分
水人数 × 3L × 日数900L2,100L2,700L6,300L
水の重さ(1L=1kg)同上900kg2,100kg2,700kg6,300kg
主食人数 × 3食 × 日数900食2,100食2,700食6,300食
携帯トイレ(都内の拠点)人数 × 5回 × 日数 ×(1+予備率20%+東京都10%)1,950枚4,550枚5,850枚13,650枚
携帯トイレ(都外の拠点)人数 × 5回 × 日数 ×(1+予備率20%)1,800枚4,200枚5,400枚12,600枚
毛布人数 × 1枚(日数に比例しない)100枚100枚300枚300枚

水3L・主食3食・毛布1枚は内閣府「災害発生時における大規模な帰宅困難者等の発生への対策に関するガイドライン」参考資料2の数値。1日5回は内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」が「排泄の回数は5回が平均的であると言われています」としている値で、7日分(35回分)は経済産業省が示しています。予備率20%は当社の置き方です。上乗せは掛け合わせず、1+0.2+0.1=1.3として数量に乗せています。東京都の10%は帰宅困難者のための共助分で、都内の拠点が対象です。アレルギー対応の特別食や要配慮者用トイレなど、実人数に紐づく品目には上乗せを乗せません。

日数に正比例する品目だけが増え、毛布は増えません。増え方がいちばん大きいのは携帯トイレで、300人・都内の拠点なら3日分の5,850枚が7日分では13,650枚になります。トイレの基数と枚数の関係は災害用トイレは何人に1基必要ですかで整理しています。

この計算の精度が、そのまま予算の通りやすさになります。予算が通らない原因は、金額の大きさよりも、数の根拠が自社判断に見えることのほうが多いからです。「7日分にしたい」だけでは通りませんが、「国の最新想定で1週間後の断水率が16%だから、3日で切ると足りない」まで書けると、判断の材料になります。正確に数えることが、稟議を通す近道になります。

実務でつまずく5つの点

1. 水道が復旧しても、自社の蛇口からは出ない

水道事業者が復旧させるのは、道路の下の配水管までです。そこから先、敷地の引込管・建物の給水管・受水槽・加圧ポンプ・高置水槽は建物側の設備で、水道事業者の復旧工事の対象外です。能登半島地震で、本管の復旧を発表しながら宅内配管工事の加速化が続いていたのは、この境目があるためです。

さらに加圧ポンプは電気で動きます。ビルやマンションの上階に水が届くかどうかは、電力の復旧にも左右されます。「地域の水道は復旧した」というニュースを聞いても、自社の建物で水が出るかは別に確認が要ります。

平時にやることは2つです。自社の建物が受水槽方式か直結方式かを確かめること、そして受水槽がある場合は、その容量と、停電時にポンプが止まるかどうかを管理会社に確認しておくこと。賃貸オフィスなら、この2つは管理会社に聞けば1回で分かります。

2. 電気が先に戻るので、水がないまま業務を再開してしまう

想定の表をもう一度見てください。1週間後、電気も電話も2%まで戻り、水道だけが16%で残ります。パソコンが動き、電話がつながり、システムにも入れる。判断材料がそろって見えるので、出社を再開します。そこで足りなくなるのがトイレです。

備蓄の日数を「電気が戻るまで」で見積もっていると、この時期に切れます。しかも人が戻ってくるぶん、消費は発災直後より増えます。3日分の備蓄が3日でなくなるとは限らず、出社率が戻るほど早く減ります。

事業再開の判断基準に「電気」だけでなく「水とトイレ」を入れておいてください。BCP対策の文書に、再開の条件として1行足すだけの作業です。

3. 上水が戻っても、流してよいとは限らない

想定の表では、下水道の機能支障率は上水道よりずっと低く、2週間後にはほぼ解消します。数字だけ見れば下水のほうが早い。ところが実務では逆の順序で効きます。内閣府のガイドラインは、水道が使える場合であっても、発災直後は下水処理場等の被害状況が確認されるまで水洗トイレの使用を禁止するとしています。

つまり「水が出たら流せる」ではありません。水が出た日と、流してよい日は別々に来ます。判断の手順は断水していなくても、会社のトイレを流してはいけないのはなぜですかにまとめています。

4. 復旧が優先されるのは重要施設で、一般のオフィスビルはそのあと

国土交通省は能登半島地震を受けて緊急点検を行い、令和6年度末時点の耐震化状況を公表しています。そのなかに次の数字があります。

項目 耐震化率(令和6年度末時点)
重要施設に接続する水道・下水道管路の両方が耐震化されている重要施設の割合約9%
重要施設に接続する管路等(水道)約47%(耐震管率 約32%)
導水管約35%(耐震管率 約24%)
送水管約49%(耐震管率 約32%)
配水池約68%

出典:国土交通省「上下水道施設の耐震化状況(令和6年度末時点)」。ここでいう重要施設は、災害拠点病院、避難所、防災拠点(警察、消防、県・市庁舎等)などを指します。

災害拠点病院や避難所という、最も優先される施設ですら、上水と下水の両方がつながった状態で耐震化されているのは約9%です。そして国は復旧の方針として、避難所など重要施設に係る上下水道管路の一体的な耐震化と、機能確保を優先した早期復旧を掲げています。優先順位は明示されていて、一般の事務所ビルはその順位の中で後ろに位置します。

これは行政の怠慢ではなく、限られた人手を人命に近いところから充てる当然の順序です。企業側が読み取るべきは「自社の順番は遅い前提で日数を置く」という1点です。

5. 給水車の水は、量も運ぶ距離も業務向けではない

「断水しても給水車が来る」は正しいのですが、量が業務を支える水準ではありません。国土交通省が水道事業者向けに示している応急給水量の目標設定例では、発災から3日までが1人1日3リットル・運搬距離は概ね1km以内、20〜30リットルに増えるのは7日目からです。しかも20リットルとする場合について、水洗トイレの水量は風呂の貯めおき水や河川水等、水道以外で確保するとされています。

3日目までの3リットルは用途が飲料等。1km先まで社員が取りに行き、1人3リットルを持ち帰る。それが給水車という選択肢の実際の姿です。100人分なら300リットル、300kgを毎日運ぶことになります。これを業務の合間にやる前提は置けません。

給水車は備蓄の代わりにはならず、備蓄が切れたあとに水の量を細く保つための手段です。順番としては、まず社内に持ち、足りない分を給水拠点で足す。逆にはできません。

社内でどう説明するか

この記事の数字は、稟議でそのまま使えます。順番を変えるだけで通りやすさが変わるので、並べ方を示します。

最初に置くのは、金額でも品目でもなく「電気と水で復旧の速さが違う」という事実です。ここに反対する人はいません。次に、国の最新の想定で3日後24%・1週間後16%という数字を出します。ここまでで、3日分を到達点にしないことへの合意が取れます。金額はそのあとです。

説明の文としては、次の形が通りやすい並びです。

現行の備蓄は3日分です。3日分は内閣府ガイドラインおよび東京都帰宅困難者対策条例第7条第2項が示す水準ですが、この3日は発災後72時間を人命救助に充てるため従業者を社内に待機させる日数であり、ライフラインの復旧日数ではありません。

中央防災会議が令和7年12月19日に公表した都心南部直下地震の被害想定では、電力の停電率が1週間後に2%まで回復する一方、上水道の断水率は1週間後で16%、ほぼ解消するのは約1か月後とされています。阪神・淡路大震災の実績でも、電気の復旧は発災6日後、水道の全戸通水完了は91日後でした。

よって、現行の3日分を第1段階と位置づけ、次年度以降に水・主食・災害用トイレを7日分へ上積みすることを提案します。日数に比例しない毛布等は現状のままで、増額は日数に比例する品目に限られます。

最後の段落が効きます。7日分にしても全部の品目が2.3倍になるわけではないと先に言っておくと、金額の話に入る前の心理的な抵抗が下がります。予算の通し方そのものは防災備蓄の予算を、社内でどう通せばいいですかで扱っています。

削るならどこかも、先に決めておいてください。最後まで削ってはいけないのは災害用トイレです。飲み水には給水拠点という細いながらも代替手段がありますが、トイレには代替がありません。内閣府のトイレガイドラインも、排泄を我慢することが水分や食品摂取を控えることにつながり、健康被害をもたらすと指摘しています。水と主食を3日分に据え置いてでも、トイレを7日分にするほうが、同じ予算で持ちこたえる日数は伸びます。品目ごとの優先順位は防災備蓄で、絶対に必要なものと、そうでもないものはありますかで整理しました。

よくある誤解

よく聞く言い方 実際
3日分あれば、だいたい復旧する3日は救助活動を妨げないために社内に待機する日数で、復旧の日数ではありません。国の想定では3日後の断水率は24%です
水道が復旧すれば、会社でも水が出る復旧するのは道路の下の本管までです。敷地内の給水管・受水槽・加圧ポンプは建物側の設備で、復旧工事の対象外です
最近は耐震化が進んだから、昔ほどはかからない同じ被害想定が「対策の進捗はあったが、復旧予測日数は前回想定時と同様に1か月程度を要する」としています。水道の復旧見通しは短くなっていません
断水しても給水車が来る来ますが、3日目までの目標は1人1日3リットル・運搬距離は概ね1km以内で、用途は飲料等です。トイレの水は含まれていません
電気が戻れば、ほかもだいたい戻っている1週間後の想定は、電力の停電率2%に対し上水道の断水率16%、都市ガスの支障率10%です。戻り方の速さは設備ごとに違います
上水より下水のほうが復旧は遅い想定上は下水のほうが早く解消します。ただし点検が済むまで水洗トイレは使えないため、実務では「水が出た日」と「流してよい日」が別に来ます

まとめ

  • 実績:阪神・淡路大震災は電気6日後、水道の全戸通水91日後。東日本大震災は全戸通水完了まで約6か月。能登半島地震は本管の復旧に約5か月
  • 想定:都心南部直下地震の断水率は、3日後24%・1週間後16%・2週間後9%・1か月後2%。電気と通信は1週間後に2%
  • 「復旧」は4段階。応急給水/仮復旧/本管の復旧/建物に水が届く。備蓄の日数を決めるときに使うのは最後の1つで、そこは自社側の範囲
  • 優先されるのは重要施設。その重要施設ですら、上下水道の管路が両方とも耐震化されているのは約9%。自社の順番は遅い前提で置く
  • 日数の置き方。公表基準は3日分。当社では7日分を到達点に置き、3日分を第1段階としています。日数に比例して増えるのは水・主食・災害用トイレで、毛布は増えません

この記事の出典

当社は非常用トイレをはじめとする防災備蓄品を扱っており、算定対象人数の確定から、計画に書く根拠の整理までのご相談も承っています。

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